同盟の形骸化 2015 1 25

書名 迫りくる「米中新冷戦」
著者 古森 義久  PHP

 さっそく、この本から引用を始めましょう。
「中国が日本を攻撃してもアメリカは軍事介入すべきでない?」
(2014年2月12日発信)
「台湾や日本より、中国が重要」と考える人たち
 オバマ政権内部には、軍部も含めて、
「中国が、台湾や日本に軍事攻撃をかけてきても、
米軍は介入すべきではない」という意見が広まっている。
こんな恐るべき実態が最近のアメリカ議会の公聴会で明らかにされた。
 オバマ政権内部の反戦・厭戦の志向は、
2014年1月30日の米中経済安全保障調査委員会の公聴会で明らかにされた。
 そのなかで、注目すべき証言をしたのは、ロジャー・クリフ氏だった。
クリフ氏は、アジアの安全保障、とくに中国の軍事動向の専門家である。
国防長官の直轄機関で働いたこともあり、
歴代政権の国防総省内部の実情に詳しい。
 クリフ氏の証言の重要部分を紹介しよう。
「オバマ政権内部には、国防総省や各軍部内の、
驚くほど多い数の人たちを含めて、
尖閣諸島や南沙諸島はむろんのこと、台湾さえも、
中国と軍事対決をして守るほどの価値はないと述べる人たちが存在する。
 この人たちは、中国が、
アメリカに到達する能力を持つ核ミサイルを保有しており、
中国は、アメリカの経済や安全保障にとって、
台湾や日本、フィリピンなどよりも、重要だから、
中国の拡大する軍事能力にアメリカが対抗する必要はないと主張する」
(引用、以上)
 日本人は、アメリカ人を誤解していると思います。
多くの日本人は、アメリカ人の体格を見て、
「みんな勇敢で腕力がある」と思いがちですが、
実は、臆病なアメリカ人は、かなり多いのです。
繊細でデリケートな人種がアメリカ人であると思った方がよいでしょう。
 日本社会とアメリカ社会を比較すると、
アメリカでは、精神科医が多いことに気づきます。
さらに、精神科の薬も日常的です。
日本人からすれば、何をそんなに悩むのかと思いたくなります。
 戦後70年、発想の転換が必要です。
日本は、アメリカを守る。
 何年か前、アメリカ南部がハリケーン・カトリーナに襲われて、
ニューオーリンズの大半が水没するという悲劇がありました。
あの時は、アメリカ社会の異様な雰囲気に驚きました。
このままでは、大規模な騒動やパニックが起こるのではないかと思いました。
 当時、アメリカは、イラク戦争中で、
州兵までも戦地に派遣されていたのです。
 そこで、私は、日本の陸上自衛隊をニューオーリンズに派遣してもよいと書きました。
将来、アメリカが中東の大混乱に巻き込まれて、
国土防衛が手薄になった時は、
日本の自衛隊が駆けつけて、アメリカ本土を守るという展開もあり得るでしょう。
これこそ、「同盟の証」でしょう。

謝罪外交 2013 8 18

書名 いつまでもアメリカが守ってくれると思うなよ
著者 古森 義久  幻冬舎新書

「謝罪外交を繰り返すオバマ政権」
 これは、この本では、43ページから始まる、
「オバマの謝罪外交」というところを読めば、
そう思いたくなるでしょう。
 確かに、ここに掲載された一連の演説を読めば、
共和党が、オバマ氏の演説を、
「謝罪外交」とか「謝罪の旅」(外国訪問)と非難する理由があります。
 著者によれば、オバマ氏は、
アメリカの従来の「あり方」には、
むしろ批判をぶつけることが多いという。
 アメリカの超大国としての実績でさえも、
あえてミスや欠陥を指摘して、
事実上の謝罪をするという傾向がちらつくのだと指摘します。
 これは、よく言えば、「謙虚である」と言えるでしょうが、
悪く言えば、「自虐的」と言えるでしょう。
 謝罪外交といえば、日本政府の「お家芸」でしたが、
時には、オバマ氏の方が、それを上回り、
日本人としては、びっくりでしょう。
 もしかすると、日本人は怒るかもしれません。
「日本の『お家芸』をオバマ氏に奪われてしまった」と。
これを「生きがい」している日本の政治家もいるからです。
 もう少し、この本から引用しましょう。
「軍事力を忌避し、軍事力の効用を認めたがらないオバマ大統領」
 オバマ大統領は、そもそも軍事力が嫌いだ。
アメリカの国政レベルでは、そんな認識がよく語られる。
これは、保守派だけからの評価ではない。
与党の民主党側にも浸透した認識だと言える。
(引用、以上)
 多くの日本人は、
「なんだか、オバマ氏という政治家がわからなくなった」と思ったでしょう。
 オバマ氏は、リベラルと言われる民主党の中でも、
「最も左寄り」と言われることがあります。
 つまり、日本の政治家でたとえれば、
社会党の党首がアメリカ大統領をやっているようなものです。
 そう言えば、今は、社会党という政党はありませんから、
オバマ氏は、社民党の党首に近いと言えば、よくわかるでしょう。
 だから、オバマ大統領と安倍首相は、馬が合わないと言えます。
安倍首相は、保守政党と言われる自民党の中でも、右派と言われています。
 片方の政治姿勢が社民党の党首に近く、もう片方が保守政党の右派では、
首脳会談は、どうやっても、うまく行くはずがありません。
 それにしても、アメリカが、このような状態では、
独裁者や強権政府の指導者は、
当分、「枕を高くして眠れる」と言えるでしょう。
 多くの独裁者や強権政府の指導者は、今でも、
「アメリカの影に怯えて、夜も眠れない」という状態かもしれませんが、
それは、「かつてのアメリカ」に怯えているからでしょう。
しかし、「今のアメリカ」を知れば、独裁者たちは、熟睡できます。
 要するに、独裁者たちは、勉強不足です。
自国の独裁体制を維持にするのに忙しくて、
国際情勢を勉強していないということでしょう。

























































































トップページへ戻る